二荒山神社(宇都宮市)

神社

二荒山神社
(ふたあらやまじんじゃ)
宇都宮市

二荒山神社は栃木県の県都宇都宮のほぼ中心に鎮座する「ふたあらさんの名で親しまれる下野国一之宮です。

宇都宮にとっては、その名前の由来が下野国一之宮のイチノミヤが訛ったものであるという説があったり、平安時代や鎌倉時代には二荒山神社の門前町として発展した歴史があったりと深い関わりのある神社で、古くから「ふたあらさん」の名で市民に広く親しまれてきました。

宇都宮市民であっても「ふたあらさんじんじゃ」だと思っている人がいるようですが、正しい名称は「ふたあらやまじんじゃ」です。

日光市にある「日光二荒山神社」も同じ字を書きますが、こちらはにっこうふたらさんじんじゃと読みます。

ご由緒

二荒山神社は大変歴史が古く第10代崇神天皇の御代に遡りますが、その後何度も火災にあい古い記録のほとんどが焼失しています。
現在も残っている社記では、第16代仁徳天皇の御代に毛野国が上野と下野の二国に分けられた時、祖神である豊城入彦命を荒尾崎(下之宮)に祀ったのが始まりで、その後承和5年(838年)に現在の地である臼ケ峰に遷座されたと伝えられています。
延喜式神名帳では県内唯一の名神大社として「下野國河内郡一座大 二荒山神社 名神大」と記載され、その後平安時代から鎌倉時代には各国で格式が最も高いとされる一之宮として篤く崇められてきました。
(参照:二荒山神社公式サイト

ご祭神

主祭神

豊城入彦命(とよきいりひこのみこと)
第十代崇神天皇の第一皇子で毛野國(栃木県、群馬県)を拓かれた郷土の祖神。

配神

大物主命(おおものぬしのみこと)
事代主命(ことしろぬしのみこと)

ご神徳(ご利益)

家内安全 交通安全 厄除

景色

参道の石段

宇都宮市の中心部に広がる鎮守の杜と境内に通じる95段の石段です。

石段の中ほどには武徳の神である剣宮や疫病鎮めの神の荒神社などいくつかの末社が祀られています。(詳細は下記境内社の項

西参道

表参道(正面の石段)の左手にある勾配の緩やかな石段が西参道です。

道中には与謝蕪村がこの地で詠んだ句が刻まれた「宰鳥句碑」があります。

東神苑歩道

表参道(正面の石段)の右手にある参道が東神苑歩道です。

自然の地形を残した参道は砂利敷きで、途中に竹林を眺めながら境内に向かいます。

神門

中央の石段を登りきったところには唐破風の立派な神門が建ちます。

振り返ると木々の間に大鳥居と宇都宮市中心部の景色を見ることができます。

境内

県都宇都宮の中心部に鎮座するにもかかわらず静かで落ち着いた雰囲気の境内です。

手水舎の水盤には龍の口からきれいな水が流れ出ています。

拝殿

神門をくぐると正面に拝殿を見ることができます。
毎年大みそかから元日にかけてたくさんの参拝者で境内がいっぱいになりますが、平日の午前中は人影もまばらでゆっくりお参りすることができます。

写真を撮影した日にはお宮参りの親子を見かけました。

本殿

拝殿横を奥に進むと瑞垣越しに本殿を拝むことができます。
西側では正面斜め前から、東側では横からの姿を眺めることができます。

神楽殿

境内東側には県指定重要文化財の神楽殿があります。
ここでは毎年1月、5月、9月に太々神楽と呼ばれる歌舞が奉納されます。

下之宮(神社発祥の社)

ご由緒にある二荒山神社発祥の地には下之宮が復興され、祖神である豊城入彦命が祀られています。

境内社

下野国一之宮ということもあり境内には多くの摂社が祀られています。
すべてにお参りすることができればたくさんのご利益を授かれそうです。

須賀神社と市神社

御祭神
須賀神社 素戔嗚尊
(お天王さん)
市神社 太市姫命(商売の神)

拝殿の右側(東側)を奥に進んだところに鎮座する社に合祀されています。
初辰稲荷神社

御祭神
倉稲魂命
(おいなりさん)

本殿西側に建つ朱塗りの連続鳥居の奥に鎮座しています。

女体宮

御祭神
三穂姫命
(生産・出産の女神)

本殿西側の瑞垣に接して鎮座しています。

十社

御祭神
素戔嗚尊 天兒屋命
味耜高彦根命 武甕槌命
豊城入彦命 大山咋命
事代主命 下照姫命
譽田別命 日本武尊
(県内式内社の神十柱)

本殿西側に鎮座しています。

県内の式内社については次の記事でまとめています。

剣宮

御祭神
素戔嗚尊
(武道の神)

石段中腹左側(西側)に3つ並んでいる祠の一番右側に鎮座している摂社です。

十二社

御祭神
国常立神 国狭槌神
豊斟渟神 埿土煮神

沙土煮神 大戸之道神
大苫邊神 面足神
惶根神 伊弉諾神
伊弉冉神 天照皇大神
天忍穗耳神 彦火瓊々杵神
彦火々出見神 鵜茅葺不合神
(肇国(ちょうこく)の神)

石段中腹左側(西側)に3つ並んでいる祠の中央に鎮座している摂社です。

菅原神社

御祭神
菅原道真公
(学問の神)

石段中腹左側(西側)に3つ並ぶ祠の一番左の奥に鎮座している摂社です。
となりの絵馬掛けには地元難関高校合格を祈願する絵馬が数多く奉納されていました。

学問の神様が祀られた神社については次の記事でもまとめています。

松尾神社

御祭神
大山咋神
中津島姫命
(お酒の神)

石段中腹右側(東側)に3つ並ぶ祠の一番左に鎮座している摂社です。

荒神社

御祭神
素戔嗚尊
(疫病鎮めの神)

石段中腹右側(東側)に3つ並ぶ祠の中央に鎮座している摂社です。

水神社

御祭神
罔象女神
(水の守神)

石段中腹右側(東側)に3つ並ぶ祠の一番右の奥に鎮座している摂社です。

東照宮

御祭神
徳川家康公

駐車場のゲートと屋上駐車場の中間北側(ゲートから見て左側)にある石段を登ると東照宮が鎮座しています。

 

言わずと知れた徳川家康公が祀られた神社ですが、境内から少し離れたところにあるため見落としがちで存在を知らない人も多いようです。

明神の井

「明神の井は宇都宮で「七水」と呼ばれる湧き水の一つであり、この水を使うと書道が上達すると伝えられています。

神馬像

針霊碑と筆塚

石段の中段、菅原神社の摂社の奥には針霊碑と筆塚が並んで奉納されています。

さいごに

今回は併設する有料駐車場(60分300円)を利用しましたが、休日でしたら栃木県庁や宇都宮市役所の駐車場(いずれも距離1㎞程度)が無料開放されています。
そちらを利用すれば時間を気にせずゆっくり宇都宮を散策することができるでしょう。

二荒山神社駐車場入口

駐車場から境内への参道に建つ鳥居

神社向かい側のドン・キホーテ地下1階にある「来らっせ本店では、宇都宮餃子の人気店5店舗の味を楽しむ事ができます。

(画像は来らっせ公式HPより引用)

アクセス

住所
宇都宮市馬場通り1-1-1
電話
028-622-5271
駐車場
あり(有料)
最寄り駅
東武宇都宮線:東武宇都宮駅から0.7㎞
JR宇都宮線:宇都宮駅から1.3㎞
最寄りバス停
関東バス:馬場町・二荒山神社前

 

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